「アルバイトの離職率の平均」の調べ方 人事の代わりにググりました。

「アルバイトの離職率の平均ってわかりますか?」


先日、同僚にそんなことを聞かれました。おそらくクライアントから質問されたのだと思います。アルバイトの離職率の高さは採用コストにそのまま跳ね返っていくので、接客やサービスなど、アルバイトを数多く活用する労働集約型の企業としては常に頭の痛い問題です。離職率は低ければ、低い方がいいに決まっています。とはいっても、ゼロというのはありえないわけで、そうなると知りたくなるのは「他さんは、どうなんだろう」ということ。離職率が高いか低いかというのは、結局は相対的なものですし、似たような企業の平均を知れば、ある程度、諦めがついたり、経営層への説明がしやすい。


そんな背景からの冒頭の質問だったと思うのですが、その時は答えるのが難しいかなと思いました。離職率(※)に関しては法的な定義や算出方法も決まってないので公的な調査も行われていないでしょうし、しかもアルバイト限定とより細かいデータとなると、あまり期待できないですから。

※一般的には期初に100人のアルバイトがいて期末までに3人辞めたら、離職率3%という算出方法だとは思いますが


企業が知りたいのは、本当にバイトの離職率か?


ただ、その後、ふと思ったのは「企業が本当に知りたいのはバイトの離職率」なのかということです。仮に100人いて3人辞めたとしても重要なのは、その内実。もしその3人が勤続20年のベテランなら、まぁ、仕方ないよって話になるし、その3人が勤続3ヶ月なら、問題でしょう。アルバイトがどれくらい勤めてくれて、どれくらいで辞めていくのか。つまりアルバイトの回転のペースこそ、離職率より知りたい情報ではないでしょうか。


そしてそのアルバイトの回転のペースは、アルバイトの平均勤続年数と言い換えることができます。それならどこかにある気がしました。あたったのは、もちろん厚生労働省。そして「アルバイトの平均勤続年数」にかなり近い数字を見つけることができました。


見つけたのは、「賃金構造基本統計調査」

出典 厚生労働省 賃金構造基本統計調査

見つけたのは、厚生労働省が毎年、調査・発表している「賃金構造基本統計調査」です。


■厚生労働省 賃金構造基本統計調査

http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html


上記のページ内の調査の結果の項の「統計表一覧」をクリックすると下記のページに遷移します。


■政府統計の総合窓口e-Stat 賃金構造基本統計調査

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020101.do?_toGL08020101_&tstatCode=000001011429


で、パートアルバイトを調べたいので短時間労働者(=正職員・正社員以外)を調べます。

「短時間労働者 産業別」をクリックすると以下のページへ。


http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001062204&cycleCode=0&requestSender=estat


出典 政府統計の総合窓口e-Stat 賃金構造基本統計調査


上記のExcelのボタンをクリックすると冒頭のキャプチャ画像のExcelがダウンロード可能です。年齢と性別に分かれているので、ある意味細かすぎるのですが、産業別や企業規模別に分かれているので、自社と同じような企業の平均勤続年数を知ることができるはず。他にも職種別をみると職種別の平均勤続年数を見ることができます。


ということで、自社のアルバイト辞めすぎではと思った人事や採用担当の方は、まずはこちらで相場を調べてみてはいかがでしょうか。