【中小企業はあと3年?】どーする同一労働同一賃金。

昨日、以下のようなニュースがありました。


厚生労働省は働き方改革関連法案の柱である時間外労働の上限規制と同一労働同一賃金の実施時期について、中小企業は現行の予定からいずれも1年延期する方針を決めた。残業規制は2020年度、同一賃金は21年度とする。大企業も同一賃金の適用時期を1年遅らせて20年度とする。労働者の賃金表を見直すなど企業の準備に時間がかかることに配慮する。

日本経済新聞


まだ法案自体も成立していない中、ちょっと気が早いかもしれませんがもし成立となれば中小企業でも21年度からということで、あまり時間はありません。ということで、そもそも「同一労働同一賃金」とは何か、そしてどうすればいいのか、人事の代わりにググりました。


■同一労働同一賃金とは?

「同一労働同一賃金」とは、そのままの意味で同じ仕事をしている人には同じ給料を払おうという考え方です。もともとこの「同一労働同一賃金」という考え方は、日本型のメンバーシップ雇用ではなくジョブ型雇用が主軸のヨーロッパで主流の考え方です。


では、なぜこれを日本で今、導入しようという話になっているかというと、一昔前と比べると非正規雇用(パート、アルバイト、契約社員、派遣社員などの有期雇用)が増える中、正規雇用と非正規雇用でまったく同じ仕事をしているのに給与がまったく違う(もちろん正規雇用の方が、たくさんもらっている)ということが起こりやすくなってしまい、正規か非正規かというのがある種の身分制度のような感じになってしまって格差の拡大などの原因になっているのではということです。


■どうなれば同一労働同一賃金と言えるのか?

では、どうすれば「同一労働同一賃金」を実現していると言えるのか、どのような事をしたらNGなのか。それがわかるのが厚生労働省の以下のページです。


厚生労働省 同一労働同一賃金 特集

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html


こちらに「同一労働同一賃金ガイドライン案」というPDFがあり、そこに基本的な考え方やOK/NG例が記載されています。

※本ガイドライン案については、今後、関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえて、最終的に確定するものです。とあるので、お気をつけください。


いくつかOK例とNG例を抜粋してみます。


■OK例

B社においては、定期的に職務内容や勤務地変更がある無期雇用フルタイム労働
者の総合職であるXは、管理職となるためのキャリアコースの一環として、新卒
採用後の数年間、店舗等において、職務内容と配置に変更のないパートタイム労

働者であるYのアドバイスを受けながらYと同様の定型的な仕事に従事してい

る。B社はXに対し、キャリアコースの一環として従事させている定型的な業務

における職業経験・能力に応じることなく、Yに比べ高額の基本給を支給してい

る。


賞与について、会社の業績等への貢献に応じた支給をしているA社において、無
期雇用フルタイム労働者であるXと同一の会社業績への貢献がある有期雇用労働
者であるYに対して、Xと同一の支給をしている。


■NG例

賞与について、会社の業績等への貢献に応じた支給をしているC社において、無

期雇用フルタイム労働者であるXと同一の会社業績への貢献がある有期雇用労働
者であるYに対して、Xと同一の支給をしていない。


役職手当について役職の内容、責任の範囲・程度に対して支給しているC社にお
いて、無期雇用フルタイム労働者であるXと同一の役職名(例:店長)で役職の
内容・責任も同一である役職に就く有期雇用労働者であるYに、Xに比べて低額

の役職手当を支給している。


となんとなく、そこにあるラインがわかってきますね。


まだ成立するかどうかはわかりませんが、一度、決まってしまえば、意外と時間はありません。まず現状の自社の状態は大丈夫なのかガイドラインを見ながら確認してみてもいいかもしれませんね。