就職氷河期の今。人事の代わりにググりました。

旭化成の社長の発言が話題になっています。


「40代前半の層が薄い」人手不足に危機感 旭化成社長

引用元 朝日新聞

当社では、30代後半から40代前半の層が薄くなっています。2000年前後に構造改革で採用を極端に減らしたためです。その世代が中間管理職として一番パワーをもたないといけない時代にさしかかってきました。キャリア採用もしていますが、なかなか人が集まりません。


記事中では30代後半から40代前半の人材が少ないと語り、その理由を「構造改革で採用を減らしたから」としています。30代後半から40代前半というのは、いわゆる就職氷河期にあたるため、「当時、採用をしぼっておいて今さら足りないなんて」といったトーンで、ネット上で多くの方が不満を表明。景気が悪かったから採用数を抑えたという部分を、「構造改革で」という言い回しになっている点も反感を買う一因になっているのかなと思います。


ちなみにヒトフレの更新担当である私もこの就職氷河期にあたります。ということで、今回の人事の代わりにググりましたは「就職氷河期」についてです。


■就職氷河期とは

まずは、就職氷河期の定義からおさらいします。


日本ではバブル崩壊後の就職が困難であった時期(1993年から2005年と定義されている[1] )を指す語。


Wikipediaから引用すると、上記が正確な定義だそうです。年齢的には、大卒を想定すると33歳から45歳くらい。高卒や浪人を考えると、さらにプラスマイナス3歳くらいが主なボリュームゾーンになるでしょうか。まさに記事中で、語られている世代になります。「ロストジェネレーション」と言われる世代も含まれていますね。


■就職氷河期の就職状況

では、当時の就職状況はどうだったのでしょうか、再び、Wikipediaから当時の求人倍率を引用します。

また文部科学省の「学校基本調査」によると、就職氷河期のピークと言える2000年の大学卒業者の就職内定率は55%とバブル期の80%から比べると大幅に下落します。ちなみにヒトフレの更新担当である私も就活には失敗し、しばらくフリーターとして生活していました。


■就職氷河期たちの今

では、就職氷河期の方は今、どのような状況に置かれているのでしょうか。厚生労働省の『「非正規雇用」の現状と課題』という資料をもとに確認してみます。

まず、こちらのページを確認すると、10年前、就職氷河期世代にあたる25歳から35歳の非正規人口は330万人、そして現在の就職氷河期世代の非正規人口は386万人となっており、就活から現在にいたるまで、多くの人が非正規雇用で働き続けていることが伺えます(もちろん、入れ替わりはあると思いますが)。就職氷河期の悲劇は、同時期に派遣労働の自由化などが起こり非正規労働が広がっていったことにあるのかもしれません。

※というか派遣労働の自由化そのものがバブル崩壊による不景気対策だった気がしますが。


そして、なかなか厳しいのが下記のページ。

就職氷河期世代にあたる、35歳から39歳、そして40歳から44歳の賃金を確認してみると、非正規と正規で大幅な収入の差があることが分かります。そして今後もその格差は広がっていくことが想像されます。賃金カーブというタイトルの資料ですが、非正規雇用の場合、ほとんどカーブせずストレート状態になっていることが分かります。


不景気によって、非正規で働くしかなく、「新卒カード」という言葉に代表される日本の雇用慣習によって、その身分を固定化されキャリア形成の可能性を絶たれた就職氷河期の方がからすれば冒頭の発言はずいぶん勝手なものに感じられるのも仕方ないのかもしれません。


さいごに

今回、就職氷河期について調べてみて感じるのは、新卒一括採用と終身雇用を組み合わせて、常に組織内の適切な年齢ピラミッドを維持していくという旧来の日本型雇用には、もう無理があるということです。それは右肩上がりの安定成長が長期間続くという、今振り返ってみれば特異な経済状況でしか実現できないスタイルだったのではないでしょうか。


また人事的な視点でいうと、この就職氷河期の世代というのはある意味では、思わぬ良い人材と出会える可能性のあるマーケットと言えるかもしれません。非正規雇用でも十分な経験を積んできた方は、きっといるはず。年齢や雇用形態にこだわらず、能力にこだわった採用をすることができるなら他社に比べて有利に採用活動を展開できるということです。