面接で炎上しないために。SNS時代だから、もう一度、確認したい基本。

意外と知っている方は少ないと思うのですが、私たちが扱うような求人メディアにはユーザー、つまり求職者からの苦情を受け付ける窓口が大体において設定されています。例えば、fromA naviの例においては、以下のようなページですね。


fromA navi ご意見・お問い合わせ

https://www.froma.com/help/pc/index.html


基本的には「広告内容が事実と異なっていた」場合にお知らせいただく目的とした窓口なのですが、他にも掲載企業の対応などについての苦情が寄せられることも多くありません。そして、体感レベルですが、最近、そういった苦情の件数が増えている気がします。そしてその中には、面接に関するものが少なくありません。「クレーム大国日本」などと言いますが、その苦情が正当なものであれいいがかりレベルのものであれ、求人メディアに寄せられるくらいならいいですがtwitterにでも書き込まれでもして、万が一、炎上したらその後の採用活動への影響は甚大。それを考えるとSNS時代、面接においてもレピテーションリスクの管理が必要そうです。ということで、人事の代わりにググりましたはSNS時代の面接についてです。


■面接での炎上事例

まずは実際に面接で炎上した事例をご紹介します。


【炎上】クックパッド社員が面接不合格を他人にバラし謝罪

引用元 Rakuten infoseek News

料理レシピ共有サイト「クックパッド株式会社」が採用情報を第三者に開示したとして公式サイトで謝罪していたことが明らかになった。この問題はとあるユーザがツイッター上で採用情報を漏らされたとつぶやいたことから発覚、たちまち大きな問題となりその結果クックパッド側から直接本人への連絡が入ったのだという。採用情報を開示してしまったという事実を公開することは極めて異例だ。


【炎上】面接合格後に社長のLINEナンパを断ったら採用取り消しに

引用元 netgeek

就職活動中、面接後に社長からLINE経由でナンパされ、彼氏がいると伝えたところ即座に採用を取り消されたと一人の女性が証拠写真を公開した。


ネットマイル、社員によるSNSでの「面接実況」に謝罪 「面接は架空」と説明

引用元 Itmedia

ネットマイル社員がGoogle+で採用面接を実況したとして炎上していた問題で、ネットマイルが謝罪。実況は架空のものだったとしている。


ということで、上記の3事例はかなり極端なケースで炎上しても仕方ない気もします、、。


■問題ない面接を実施する上での参考サイト


では次に安全な面接をする際に参考になりそうなサイトをご紹介します。


■厚生労働省 公正な採用選考の基本

http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm

こちらの(3)に「採用選考時に配慮すべき事項」として、面接で聞いてはいけない事項がまとめられています。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)

・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)

・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>

・宗教に関すること

・支持政党に関すること

・人生観、生活信条に関すること

・尊敬する人物に関すること

・思想に関すること

・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること

・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>

・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)

・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

また

「公正な採用選考を目指して」という資料もPDFで配布されています。

http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/dl/saiyo-01.pdf


■大阪労働局 就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例

http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/hourei_seido/kosei/futeki.html

面接者の中には、面接という雰囲気からくる緊張を少しでも和らげたいということから、次に示すような質問をする場合があります。
 しかし、受験者としては、下記の「なぜこのような質問はいけないのか」に示すように、ひとつの質問からかえって緊張したり、気持ちが沈んだりして、それが態度や返答に出てしまいます。ひいては、そのことが採否の判断基準に大きな影響を与えてしまうことにもつながります。
 また、企業の方からは質問しないのに、他の質問に関連して、受験生の方から「家族の職業」「親の勤務先」などについて話し出すケースがあります。このようなときは、趣旨を応募者に説明し、これらのことについて話す必要はないことを一言伝えてください。

こちらでは不適切な質問の例が紹介されています。


■CUBEの電話代行サービス 面接官はいますぐ直して!採用面接ではしてはいけないNG質問まとめ

https://www.cube108.jp/blog/post/440

こちらでは違法になる質問だけでなく、悪印象を与えしまう質問を公開しています。


■イメージダウン、訴訟リスク……害悪な圧迫面接がなくならない原因は身内にあった。

https://www.manetama.jp/report/contribution-of-karubi6/

採用面接において、長年「ストレス耐性」を見るために使われてきた「圧迫面接」ですが、新卒採用の売手市場が続く現在は、圧迫面接のもたらすデメリットが大きいとされています。


こちらの記事では圧迫面接のリスクとその予防方法について紹介されています。


さいごに

まず面接で炎上しないためには、法令や厚生労働省のガイドラインを守ること、そして圧迫面接などハラスメントととられかねない手法はひかえる、いわゆる「ポリティカルコレクトネス」なスタンスが必要になります。例えば、直近で入社したばかりの方が実はその前から妊娠していて入社まもなく育休に突入したというような経験があると、ついつい面接で「結婚のご予定は?」とか「お子さんは?」と聞きたくなりますが、やはり我慢が必要です。


また個人的な経験としては面接を通して人間関係が構築できたり、こちら側の情報を開示(例えば、僕は子供が2人いるんですけどとか)すると家庭環境などに関しては求職者の方から話してくれる印象があります。