6割の人が評価制度に不満を覚えているのに、8割近い人が自分が下す評価には自信がある。

ちょっと前にこんなニュースがありました。


■有職者の6割以上が現在の人事評価制度に「不満」あり monoist


調査を行ったアデコさんのページはこちらになります。


■人事評価制度に関する意識調査 アデコ


で、この調査、よく読んで見ると結構、面白いです。特に面白かったのが、Q4の「自分が適切に評価を行えていると思いますか」という質問の答え。多くの方が人事評価制度に不満があり、「評価にばらつきがある」「評価基準が不明確」などなど思っているにもかかわらず、自分が評価する側にまわった場合、まぁまぁ適切にできていると思っているわけです。

人事評価制度に関する意識調査より


もちろん「どちらかというとそう思う」が大多数なのですが、それでも8割近い人が自分はある程度は適切に評価を行えていると思っているわけです。


やはり人は評価される側になると、基本的に「評価に納得できない」と思いがちなのだと思います。この「評価への納得感」というのは非常に難しい問題で、極論をいえば、真に公平な評価制度とその運用が実現できたとしても、評価に納得できない層というは一定数でてきてしまうんじゃないかという気がします。なので、この「評価への納得感」を醸成できるのは、結局は評価者の腕前次第というような気もします。


そして、これまで多くの企業の採用に関わった個人的な経験から、制度設計や運用者の技量に関係なく、わりと「評価への納得感」を得やすい企業のあり方というのがあります。それが、「事業が上向きで組織も増員しつづけており、ポジションや報酬を従業員にガンガンふるまうことができる。」というフェーズの企業。こういう状態だと、少なくともみんなそれなりにハッピーになりやすく評価とその結果である待遇もろもろについてのバランスに不満がでずらいんですよね。


なので、下手に制度設計に悩みすぎるなら儲けることを考えるほうがいいかもしれません。