さて、先日「新入社員がばっくれる前にできること」といった記事をアップしました。3年で3割やめるというデータがある新入社員。ですが、もし退職する時期が統計的に集中しているのであれば、その時期の前後にケアを厚めにすれば、より効果的に離職を防止することができるかもしれません。そこで3年で3割やめる若者たちは、いつ辞めやすいのか少し調べてみることにしました。
まずは、以前も引用した以下の資料を確認します。
厚生労働省 新規学卒者の離職状況
これをみると確かに平均的に3年で3割が辞めています。で、その推移を見てみると業種や規模で違いはあれど、
1年目 10%
2年目 20%
3年目 30%
という感じで、毎年1割づつやめていっています。10人採用したら、1年目に1人、2年目に1人、3年目に1人という感じでしょうか。特に「3年で3割やめるといっても、そのうちの8割は1年目にやめる!」といった偏りは読み取ることができなさそうです。
では、他に参考なるデータはないかと探してみたのですが、、、見つけることはできませんでした。とは言え、それで諦めるのもなんなので、これまで多くの企業の採用に携わって耳にしてきた話と自社の事例を考えながら新入社員の辞めやすい時期について考えていきたいと思います。
■やめやすい時期 その1:入社1ヶ月以内
この中でも細かく以下に分かれると思います。
・入社1週間以内(初日ばっくれも含む)
だいたい初日とか2日目の途中でいなくなるとか、そもそも初日出社してこないとか。
・GW明けくらいの入社1ヶ月経過した頃
GW明けという少し会社と距離を起き、いろいろ考えてしまう時間ができて、、といパターン。
この時期の退社に関しては原因は、ほとんど採用上のミスマッチと言えるでしょう。ようは「おもてたんと違う」ということですね。もちろん、その中には、その会社に対する「おもてたんと違う」だけではなく、社会人として働くことへの「おもてたんと違う」だったりするかもしれませんが。いわゆる「リアリティショック」ってやつですね。
防ぐ上では、採用プロセスの中で過剰な理想を描かせないようにネガティブな情報も含めて情報を開示することや折りを見て先輩や上司が不安に思っていることを聞いてあげるといった一般的な内容になってしまうでしょうか。
■やめやすい時期 その2:入社3〜6ヶ月
この時期の退職理由は、ほとんどが入社後の研修とかセレモニーとかも落ち着いて配属が決まったり、業務がスタートする時期なので、そこでのリアリティショックが原因でしょうか。業務内容が「おもてたんと違う」とか、あと配属先の上司や上長と圧倒的に合わないとか。
特定の管理職の配下で新卒の離職率が高いような場合は、注意が必要かもしれません。
■やめやすい時期 その3:入社1年前後
完全なる個人的な感覚でいうと、この時期が最も退職が頭によぎる時期のような気がします。多くの業種では1年が1サイクルになっているので、一通り見てみた上での判断とか、あと区切りも良く、日本人にはおなじみの4月から新しいスタートという感覚になじみます。恐らく、入社1年経つ頃に「やめよう」と意志をかため上司や人事に伝えて多少、慰留されたり引き継ぎをしたりしているうちに実際、辞めるのは入社1年数ヶ月が経った頃。2年目に退職するのはそんな人が多いのではないでしょうか。自社の事例でも3年で辞めた社員のデータを調べると1年と数ヶ月という層のボリュームが大きかったです。
そういう意味では退職の意志を固めるのは、やはり最初の一年が多いのかもしれません。
■やめやすい時期 その4:入社3年
「とりあえず3年はつとめろ」的な言説もあり、3年経つ頃に「この先どうしようか」と考えつぃまうタイミングなんだと思います。その頃には、社会人としての価値観もある程度形成され、その視点で自分の人生とかキャリアを考えてみると・・・と思ってしまうのかもしれません。あと業界や業種によっては3年経過すれば1人前になるような場合もあるので、将来のキャリアを考えて次のステップに挑戦したくなったり、ということも起こりそうです。
この時期の離職を防ぐには、その社員のキャリアの目標などを共有し話し合えているといいのかもしれません。
ということで、簡単にまとめてみましたが、結局はずっとフォローしなきゃいけない的な結論で申し訳ないです。ただ、最初の1年で「やめよう」と思わなければ、とりあえず3年は持つ気もします。
一方で、このあたりの事情は業界や業種で大きく変わるので、まずは自社の社員がいつやめやすいのかというのを調べてみる方が対策も立てやすいのかもしれません。
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