「No残業デー」を、いくらググっても効果じゃなくて気持ちの話のばかり。

少し前に勤務先に導入されている制度の一位が「ノー残業デー」だったいうニュースを目にしました。


勤務先に導入されている制度、1位「ノー残業デー」 - プレ金導入率は?


ということで、今回の人事の代わりにググりましたは「ノー残業デー」について、だったのですが、調べているうちにあることに気づきました。それは「ノー残業デー」で労働時間が減ったという事例がほとんど見つからないということです。


「ノー残業デー」のメリットとデメリットとか、想定される効果みたいな記事は大量に出てきます。また企業の労働時間削減の取り組みの一つとして、「ノー残業デー」が紹介されているみたいな記事もたくさん出てきます。しかし、「ノー残業デー」で労働時間が何パーセント削減されたとか生産性が具体的にこれくらい改善したとか、そういう事例を紹介した記事は見当たりませんでした。


例えば、厚生労働省の以下の資料。

■中小事業主に役立つ時間外労働削減の事例集  

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/110803_01b.pdf


この資料内でも、「ノー残業デー」の効果として「定時退社意識が向上した」とか「時間外労働削減への意識が高まった」とか、意識の話ばかりしていて、実際の効果に触れられてはいませんでした。もちろん、他の取り組みとセットで行っているので「ノー残業デー」だけの効果は計れないという話かもしれませんが、それでもやっぱり実際の効果にこれだけ触れられていないのは不自然です。


導入率が高いだけあって、「ノー残業デーは、意味がない」などのネガティブな意見も数多く目にするのですが、こうして調べてみると、そういった意見にもそれなりに妥当性があるのかなという気がしてしまいます。


正直なところ、「こんなご時世だから、とりあえず」労働時間削減などに取り組もうという企業が着手しやすいのが「ノー残業デー」という点も、この現象の背景にあるような気もします。


ということで、労働時間削減にとりあえず取り組んでいますというアリバイ作りと意識を変えるには「ノー残業デー」は有効かもしれませんが、本当に労働時間の削減や生産性の改善を行いたいなら、最適な手段ではないかもしれません。


かくいう私たちも「ノー残業デー」を月に2回、実施しているのですが明確に実施前後で労働時間が削減されているというデータは確認できませんでした。ただ一方で、「その日だけは早く帰れる」と社員から好評な面もあり続けています。本来であれば、その状況こそ解決しなければいけないとは思いますが。


ということで、そろそろ労働時間削減といえば「ノー残業デー」という風潮から、次のステップに進まなければいけない時期なのかもしれません。