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順天堂、入試で一律不利な扱い「女子はコミュ力高い」 日本経済新聞
女性の方が面接など対面する形式の評価方法だと全体的にスコアが上になる傾向があるというのは、新卒採用の現場でもよく言われる話なので人事や採用の仕事をしている人にとっては、ある意味馴染みのある話題かもしれません。
もちろん新卒採用は入試のように一律のスコアで争うわけではないので、「一律女性だけ減点」とする企業はあまりないと思いますが一方で、ある程度、採用人数の男女バランスを調整している企業も少なくない気はします。昔よりは気にしないという企業も増えてきた印象ですが。
順天堂大学さんの場合は、「女性の方が、精神的に成熟するスピードが早く、入学時には差があるが卒業時には男女の格差はなくなる」的な論文があり、それを根拠としたロジックのようです。ただこの「◯◯という属性をもった集団は、▲▲という傾向があることは調査でわかっているから、それを選考の参考にする」という考え方は就職差別につながる発想なので、コンプライアンス的な観点からも採用に取り入れるのはやめた方がいいですし少なくとも大きな声で言う(面接で話すとか)話ではありません。
「女性の方が、精神的に成熟するスピードが早く、入学時には差があるが卒業時には男女の格差はなくなる」という傾向があったとしても、それはあくまで男性、女性の平均がそうであるというだけであって受験者(求職者)一人ひとりには個別の特徴があり、それを計測する必要があります。
コミュ力のない女性もいれば、特に大学在学中にコミュ力の伸びない男性もいるでしょう。その属性の集団がそうであることと、その属性の集団に属する個人がそうであることは特に論理的に関係がありません。
まぁ、順天堂大学さんとしてはそんなこと100も承知で少なくともエビデンスのある事由をということで出した話かもしれませんが、レピテーション上のダメージコントロールとしては言わない方がよかったかも知れませんね。
このニュースへの世間のリアクションを見ればわかるように、こういった発想そのものが社会的に許されなくなりつつある時代、特に悪評はSNSであっという間に、広がる時代なので気をつけてください。
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