書いていないは、考えていないと同じ。「ゼロ秒思考」。

さて今回の「人事の代わりに読みました」は、「ゼロ秒思考」。かなりのベストセラーなので、読んだことがある方も多いかもしれません。


オススメ度:★★★★☆


内容は非常にシンプル。マッキンゼーで長年、コンサルタントを経験してきた著者が編み出し、そして現在でも実践している思考のトレーニング方法が紹介されています。詳細は読んでいただくとして、その方法は非常にシンプル。A4の裏紙に毎日、メモしていくだけです。


しかし、これやってみると分かるのですが、効果は絶大です。少しでも「考える」ということを意識的に行なったことがある方なら体感的に分かると思うのですが、頭の中でもやもやしたものを転がしている状態というのはあまり考えているとはいません。同じところをぐるぐる回ったり、もやもやのままだから言語化の粒度が粗かったり。


でも、考えている内容をノートに書き出したり、パソコンに打ち込んだり、自分の外に出してみると、あら不思議、どんどん考えが整理されていって、ロジックが組み上がり、スッキリとした結論が出てしまう。そんな経験、誰もが一度はあると思うんです。


それを習慣として毎日、続けられるように不必要なもの削ぎ落とした方法論が、この「ゼロ秒思考」という印象です。正直、ヒトフレの更新担当は著者のいいつけのように毎日はできていないのですが、それでも効果は実感します。


このゼロ秒思考、その効能は人にもよると思うのですが、個人的には以下の3つが大きいかなと思います。


・言語化のトレーニングになる

もやもやした思考や気持ちを言語化する技術って意外と誰でももっているスキルではなく、苦手な人も少なくありません。でも仕事や職種によっては必要不可欠な場合があります。言語化やその先の抽象思考が苦手な新人のトレーニングに、この「ゼロ秒思考」は非常に効果的。やり方が簡単なので、どれだけ苦手でも始められるし毎日続ければ、必ず言語化の技術が向上していきます。私もこれまで何名かのメンバーにやってもらいましたが、割と「やってみてよかった」という感想が多いですね。


・思考のスピードが早くなる

「ゼロ秒思考」なので、そりゃそうだろという感じなのですが、思考のスピードがあがります。その理由として「いつも考えが整理されているから判断が早い」「考える筋力が鍛えられて考えるのが早い」というのに加えて、「解かなきゃいけない問題は、すでに一度、考えたことがある。ということが多くなる」のも挙げられるかなと思います。日々、色々なことを考えているから、まったく同じじゃなくても構造的には似通っている問題にあうと、スッと答えが出せるようになります。


・メンタルを良い状態に保ちやすくなる

「ゼロ秒思考」では、感情的な問題、例えば「なんで、あの時、自分はあんなに怒ったのか」であるとか「なんであの人は私のことキライなんだろうか」といった、感情や人間関係的な悩みについても書き出すことを推奨されています。で、これもそういった感情や気持ちを一度、自分の外にだして紙の上で整理してみると、割と気持ちが落ちつくのですよね。なにかあっても、紙に吐き出して1日を終われるようになるのでメンタルの良い状態を保ちやすくなります。


ということで、本当にいいことばかりなので、「ゼロ秒思考」おすすめです。