【人事の代わりにググりました】今後、主流になっていきそうな「通年採用」について

最近、日本における強固な採用上の慣習である「新卒一括採用」が変わりつつあります。その背景にあるのはグローバル化だったり、少子高齢化だったり、色々あると思いますが、「新卒一括採用」というシステムは、そろそろ耐用年数を終えそうだぞというのは、企業において採用業務に携わっている方もわれわれのようなHR界隈の業者側も実感レベルでは薄々感じているところではないでしょうか。


そしてそんな「新卒一括採用」の次の形として、ここ数年、広がっているのがいわゆる「通年採用」です。


「通年採用」とは、企業が年間を通し、そのときの必要性に応じて自由に採用活動を行うことをいいます。欧米企業では当り前のことですが、日本の多くの企業の多くは、長年にわたって毎年春に新規学卒一括採用を行ってきました。変化が現れたのは、1990年代なかば頃。一部の企業が海外の大学を卒業した者や帰国子女の秋採用を行うようになり、その後、第二新卒や中途採用を含めた「通年採用」を行う企業が徐々に増えていきました。近年は新卒学生の獲得の厳しさから、春の一括採用の補完として「通年採用」を行う企業も表れるなど、採用のタイミングや採用対象の多様化が進んでいます。

日本の人事部 通年採用より引用


そんな通年採用について、人事の代わりにググりました。


まずは通年採用を行っている企業を調べようと思ったのですが、すでにまとめている記事が複数あったので、そちらをご紹介します。


新卒一括採用だけじゃない! 通年採用を取り入れている企業一覧 BIZ REACH CAMPUS


新卒採用で通年採用をしている企業の募集情報まとめ(2018年5月10日更新) JOBWEB


上の2記事を見てみると、現状「通年採用」を取り入れている企業は、ほとんどがIT系やWEB系の企業であることがわかります。また大手だから発見しやすいという背景事情もありそうですが、やはり大手企業が多いと言えるでしょう。また一口に「通年採用」と言っても、各企業、やり方は様々にちがいます。まず大まかに以下の2つのパターンに絞られます。


・新卒採用 拡張型

従来の新卒採用を行いつつ、対象者を「既卒3年目」や「30歳まで」と拡大したタイプの採用。例年の新卒ナビサイトへの掲載はしつつ、経験者採用としての中途採用は行うスタイル。


・新卒/中途 合体型

新卒採用と中途採用という概念をなくし、新卒も中途も同じ基準で採用しますという、より先進的なスタイル。


また同時に以下のような制度をとりいれている企業さんがおおいですね。


・パスポート制度

ユニクロを展開するファーストリテーリングさんが有名でしょうか。一度、選考を通れば何年か有効なパスポートが発行され、期間内ならいつでも最終面接や入社に直行できる制度。


・職種別 採用

「就社」のニュアンスが強い日本型の「新卒一括採用×総合職」ではなく、職種を応募時からチョイスできる採用手法をとっている企業さんが多いです。


では通年採用のメリットとデメリットとは何かと考えると、わりとシンプルです。


■メリット

いい人材/これまでにない人材に出会える確率が高まる。当たり前の話ですがこの点につきます。


■デメリット

採用活動が長期化するというか通年化することですね。特に新卒一括採用を続けていた企業さんだと、一年の大きなサイクルがなくなり、四六時中、採用をすることになるので負担かもしれません。ただ一方で、インターンやらなにやらのせいでこれまでの新卒採用も手がかかるようになっているので、あまり変わらないかもしれません。


またデメリットではないのですが、知名度のない中小企業だと広報が難しいかなという点も現実的な問題としてあると思います。実際、媒体なども新卒/中途という枠組みに別れてしまっているので、このあたりの事情も「通年採用」を積極的に取り組んでいるのは大手企業ばかりという現状の背景にありそうです。


いずれにしても、おそらく今後は主流になっていく「通年採用」。そろそろ試し始めてもよさそうです。