【今さら聞けない人事の常識】変形労働時間制って、何を変形してOK?

先日、ヒトフレでも触れた漫画家アシスタントの労働問題新たに進展があったようですね。


■ご報告 三田紀房 公式サイト


で、ここでポイントになっているのが「変形労働時間制」。人事系が長い方にとっては、どのような制度かは常識かもしれませんが、ちょっと複雑で私たちのようなHR業界の人間でも正確に理解している方も少ないような実感があります。


ということで今回の「今さら聞けない人事の常識」では、変形労働時間制についてざっくり解説したい思います。


■変形労働時間制は、何が変形してよいか?

変形労働時間制で、変形して良いのはなにか。それは単位(日、週、月)あたりの労働時間です。普通は労働時間は「1日8時間、週40時間 」と定められています。しかし、業種や職種によっては、週の後半だけ忙しいとか、月末/月初が忙しくてあとは割とヒマとか、冬から春にかけて飛び抜けて忙しいとか、時期によって繁閑があったりすると思います。


そんな企業のための制度。例えば、月曜日と火曜日だけ忙しいという企業の場合、月曜日と火曜日の所定労働時間を9.5時間にして、残りの3日を7時間にした場合、週で40時間になるため週単位での労働時間は帳尻が合います。また月曜日、火曜日の労働時間における8時間を超えた分に関しては残業代を支払う必要がなくなるわけです。


■変形して良い単位は?

では、変形労働時間制で帳尻を合わせていい単位は、どう定められているかというと以下の3つ。


・週単位
・月単位
・年単位(一ヶ月以上、一年未満)


なので3ヶ月単位の変形労働時間制というのもありです。あくまで体感ベースですが、一ヶ月単位の変形労働時間制が一般的な気がします。次に多いのが一年単位でしょうか。この単位の中で、労働時間の帳尻が法定内であっていれば、毎日の労働時間が変動していてもOKということですね。


■じゃ、なんでもOK?

では、単位内での帳尻があっていれば、なんでもアリかというとそんなことはありません。例えば、一年単位の変形労働時間制の場合は、1日あたりの労働時間が10時間を超えてはいけないなど法律で定められています。また前提として、変形期間中の労働時間は就業規則に記載していなければいけないので、その時の雰囲気やノリで「じゃ今日は10時間!」みたいに運用してはいけないようです。


■もっと詳しく知りたい方は

かなり、ざっくりと説明してしまったので、より詳細な情報が知りたい方は以下のリンクを参考にしてください。


・厚生労働省 労働時間・休日

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html

厚生労働省のページ。


・変形労働時間制を詳しく解説|定時と残業時間の正しい求め方 労働問題弁護士ナビ

https://roudou-pro.com/columns/35/

このページ、めちゃくちゃ詳しいです。細かい運用のルールや、残業時間の求め方などがわかりやすく解説されています。